【11日付ニューヨークタイムズ】米同時多発テロから16年、テロにより親を亡くした子どもたちのその後を追ったドキュメンタリー映画「ウィー・ゴー・ハイヤー」の製作が進んでいる。
同映画の共同監督で脚本家のデランシー・コライオさん(18)はテロにより親を亡くした子どもの1人だ。2001年9月11日の朝、当時3歳だったコライオさんの父親は勤務先の世界貿易センタービルにいた。コライオさんはバレエのクラスに向かうため母親と自宅で準備をしているときに、母親が、テレビに映し出された同ビルが崩壊していく様子を見て泣いていたのを覚えているという。幼いころからこの日に何が起こったかを聞かされていたが、12歳か13歳になるまで現実を受け入れられなかったという。
現在コネティカット州のキニピアック大学で映画製作を学ぶコライオさんは、今年の初めに同映画のプロジェクトを始動させ、これまでに3000人以上いるとされる遺児のうち70人近くにインタビューを行ってきた。
コライオさんは、「人生で悲惨な出来事が起きてもそれで終りではない。あなた自身の人生を歩み、その物語を紡いでいけるということを、この映画で伝えたい」と話した。同映画は2018年に公開予定。