【7日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】2013年にNYPDのパトカーにひかれ記憶喪失になった女性が市の責任を問い起こしていた裁判で、市はこのほど損害賠償金200万ドル(約2億1700万円)の支払いに合意した。
アンジェラ・サーティン=ハータングさん(55)は同年10月25日午後6時ごろ、マンハッタン区アッパーイーストサイド72丁目とヨーク街の横断歩道を渡っていた際にNYPDの交通課のパトカーにひかれ、ただちに病院に搬送された。しかし集中治療室で意識を取り戻したときには2000年に結婚した夫、ジェフリーさんのことも認識できず、2人の子どもたちの年齢も覚えていないなど過去の記憶を失っていた。サーティン=ハータングさんは、「自分が記憶を失っていると気付いたときは本当にショックだったし、今でも涙が出てくる。まるで映画のようで、これが現実とは思えない」と話した。
市はサーティン=ハータングさんが信号無視をして横断歩道を渡っていたと主張していたが、防犯カメラの映像と目撃者の証言から原告には非がないことが認められ、賠償金を支払うことで裁判は終了した。弁護士によると、パトカーは無灯火で走行していたという。