ナチスの元守衛に国外追放要請 連邦議員29人が抗議

 【1日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク州選出の連邦議会議員29人で構成する連邦議会代表団はこのほど、クイーンズ区に住むナチス・ドイツの元守衛を米国外に追放するよう、レックス・ティラーソン国務長官に要請した。
 連邦裁判所は2004年、米司法省の要請により、第二次世界大戦中にドイツの占領下にあったポーランドのトラウニキ強制労働収容所および親衛隊訓練所で守衛を務めていたジャキーブ・ペアリーさん(94)の米市民権をはく奪した。ペアリーさんは、ドイツ国防軍への入隊手続きを行った1949年、農業に従事していたと主張していた。裁判所は、ペアリーさんをドイツまたはポーランド、ウクライナに送還すべきとの判決を下したが、各国が受け入れを拒否していた。
 同代表団は、「ペアリーさんが米国在留資格を失ってから既に13年が経つ。裁判所命令の遂行に時間がかかり過ぎている」と国務長官への文書で訴えた。
 州の下院議会代表団も8月21日、同様の文書を国務長官に送ったが、立法問題局は9月18日、「3カ国にペアリーさんの受け入れを要請しているが、それらの国が、彼が戦争中に行ったことについて起訴できる立場にあるかは明白でない」と答えている。
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