いじめや安全性について会合 NY市と保護者ら、刺殺事件受け

 【2日付NY1】ブロンクス区の高校の教室で9月27日、男子生徒(15)が同級生(18)にナイフで刺殺された事件を受け、ニューヨークのビル・デブラシオ市長と市教育局のカルメン・ファリーニャ局長は2日、市内の学校に通う子どもを持つ保護者の代表らを迎え、学校の安全性について話し合った。
 話し合いの冒頭で同局長は、今後3週間にわたり、市の全ての教員に、生徒同士のけんかを鎮める方法やいじめについての報告手続きの手順などについて再訓練を受けさせること、また、各学区の教育委員長に、深刻ないじめの兆候を見落としていないか、全ての学校を再調査するよう命じたと発表した。
 保護者らによると、学校の多くはいじめに対応せず、見て見ぬふりをすることが多いという。保護者の1人は、「小学校では、いじめや差別の問題に消極的だ」と訴えた。保護者らは教員の訓練には賛成しながらも、全ての学校で訓練が実施されたことを市が確認する方法、また、訓練の内容や実践方法、教員の責任についての質問が出た。
 事件があったブロンクス区の高校では、生徒や教員からいじめの報告があったが、学校側は何の対応も取らなかったという。

マンハッタン区のハリーベラフォンテ図書館で2日、保護者らと話すデブラシオ市長(左)とファリーニャ局長(右)(photo: Edwin J. Torres/Mayoral Photography Office)

マンハッタン区のハリーベラフォンテ図書館で2日、保護者らと話すデブラシオ市長(左)とファリーニャ局長(右)(photo: Edwin J. Torres/Mayoral Photography Office)