アイビーリーガーやアメリカの歴史を彩るエリートに愛されてきた、オーセンティックなアメリカントラッドを代表するブランド、「Ｊ．プレス」。マディソンアベニュー沿いにあった旗艦店が惜しまれながら閉店してから数年、つい先頃の11月２日に、同じミッドタウン内に新たな店が復活オープンを遂げました。
グランドセントラル駅の目と鼻の先にあるイエールクラブの１階に構えた店は、アイビーリーグの大学が集中する「ニューイングランド」をテーマに、メイド・トゥ・メジャー／カスタムシャツのコーナーと靴磨きバーを擁したウッド調のクラシックな雰囲気が特徴。イエールクラブとは1897年に創設された、かつてのイエール大学の由緒正しきクラブハウスで、現在は世界に15カ所を構える会員制クラブとなっています。1902年、コネチカット州ニューヘイブンにあったイエール大学キャンパス内の店で、テーラーを営んでいたジャコビ・プレスによって始められ、代々受け継がれてきたＪ．プレスの背景に即した、まさに絶好のロケーションでの再スタートです。
風も突然冷たくなり、冬の気配を感じる今日この頃のニューヨーク。いよいよ重ね着を楽しめる季節の到来です。ヘリンボーン柄のツイード、フランネル素材のスポーツコート、コーデュロイ素材のトラウザーといった定番アイテムは、現代に落とし込んだやや細身なカットで登場しているほか、個性をプラスするスカーフ、タイ、ベルトなどの小物も色、素材、模様が種類豊富にずらりと並びます。注目したいのは、ニットの本場、スコットランドのシェトランド島に残るニットメーカー、「Raurence Odie」との共作、スコットランドウール100％で織られたシャギードッグセーター。その名の通り、毛並みの良い犬を撫でているような触り心地の保温性に優れた１枚は、これから始まる厳しい冬の良き相棒となってくれるでしょう。
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フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション／カルチャー誌などで活躍している。
