【27日付amニューヨーク】ニューヨーク市のスコット・ストリンガー会計監査官は27日、市のバスサービスは「危機的状況にある」と警告した。同氏の報告書によると、市バスの速度は全米の大都市の中で最も遅いため利用者から信頼されずインフラも時代の変化に追いついておらず、ニューヨーク州都市交通局(MTA)および市運輸局(DOT)の管理システムは崩壊状態にあるという。
そのため市では最近、バス利用者数が激減。2008年から16年の間に、人口、観光客数、求人需要は増加していたが、同期間のMTAのバス利用者数は100万人減少、バス離れが最も顕著だったのはマンハッタンとブルックリン区だった。市を走るバスの平均速度は時速約7.4マイル(約12キロメートル)で、全米の大手バス会社17社のうちで最も遅かった。
市でのバス利用者の多くは経済的弱者で、55%が外国生まれ、75%が有色人種、また全利用者の12%が60歳以上だった。
同氏は報告書の中で、バス路線全体の包括的な見直し、オフピーク時のスピード化のための各停留所の間隔の拡大など、MTAとDOTが改善すべき6つの点について検証。市のバスは走行時間の約43%を赤信号または停留所で費やしているため、同氏は、バスが交差点を迅速に通過するためのバスと信号機の連結システムを早急に導入するようDOTに求めた。