【7日付amニューヨーク】ニューヨークのビル・デブラシオ市長と市環境保護局(DEP)は7日、市内の川や湾の水質が過去100年で最も優れた状態であると発表した。
市はハドソン川やジャマイカ湾内などの89カ所で、定期的に水のサンプルを採取し水質を調査している。同日の発表によると、水中のバクテリアは減少し、窒素が減って酸素が増えたため、海洋生物の繁殖もみられるようになったという。また、今年春に発表された川や湾の水質に関する年報では、酸素の溶解度について、「ニューヨーク州の基準値を超えており、シャワーに使うこともできる」と評価されていた。
市長およびDEPのビンセント・サピエンツァ局長は、「市の汚水処理システムを改善し、嵐などで洪水になっても汚染された地表の水や下水が港湾に流れ込まなくなったことが要因」と指摘。局長は、「市にクジラやイルカが戻ってきたことが、水質の向上を証明している」と述べた。
市長によると、15億ドル(約1700億円)の予算をかけ実行中の「グリーンインフラ計画」も水質向上につながっているという。この計画は、地表を緑化して雨水を地中に浸透させる試みで、年末までに歩道脇の植木を4000カ所設置し、来年にはさらに300カ所の増設を予定している。