NY市長、税制改革法案を糾弾 不公平で庶民直撃と

 米議会上院が2日、税制改革法案を可決したことを受けて、ニューヨークのビル・デブラシオ市長は同日、議会共和党が進める同法案に反対する集会を市内で開いた。
 市長は冒頭、「ワシントンは、大金持ちや企業など既に十分豊かな者たちを優遇し、何百万もの勤勉な国民から搾取した金を彼らに与えようとしている」と糾弾。超富裕層や法人に対する減税、州・地方税の控除撤廃、オバマケアの一部撤廃などを含む共和党の改革法案は高齢者や中・低所得者を直撃すると主張、高齢者向け公的健康保険の予算から250億ドル(約2.8兆円)が削減されるとして、弱者切り捨てと非難した。
 クイニピアック大学が11月29日から12月4日にかけて全米の有権者1508人を対象に実施した世論調査によると、国民の64%が法案で最も恩恵を受けるのは「富裕層」と答え、法案に賛成したのは29%だった。

2日、金融街で行われた共和党の税制改革案に反対する抗議集会。左は演説するデブラシオ市長 (photo: Ed Reed/Mayoral Photography Office)

2日、金融街で行われた共和党の税制改革案に反対する抗議集会。左は演説するデブラシオ市長 (photo: Ed Reed/Mayoral Photography Office)