DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.5 脚のむくみ改善方法

脚のむくみ改善方法
 外は寒く、部屋の中は暑いニューヨーク。体調はいかがでしょうか。今日は脚のむくみ改善にもなる対策をお話します。

 脚のむくみは血液、または水分などがうまく循環されず四肢の先端に滞ってしまうことから起きてしまいます。静脈やリンパの問題などから全身に起こる可能性はありますが、心臓から遠く重力の影響を受けやすい脚に一番多く起こる症状です。飛行機などで長時間座りっぱなしで血流が滞り血栓ができる「エコノミー症候群」などもこのむくみと関連した問題です。ですから、たかがむくみと思わずにできることから対処していった方がいいでしょう。また、むくみが取れると脚がスッキリ細く見えるのでスタイルも良く見えます。
 ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれますが、それには理由があります。皆さんもご存知のように心臓は体に血液を循環させる臓器ですが、心臓だけでは四肢に届いた血液を心臓まで戻す力はありません。体は筋肉の収縮をうまく使って血液を心臓まで戻しているのです。だからふくらはぎの筋肉が正常に収縮できるかどうかというのは非常に大切になってきます。その筋肉を柔らかく正常に保ち、さらにむくみを取るために自分でもできるマッサージ方法を紹介します。

自分でできる脚のマッサージ
 まず内くるぶしからすねの骨の内側に指を入れてマッサージします(①)。骨の裏側に指を入れるイメージです。硬いと思った部分を押したまま、足首を動かすとより効果的です。押す場所を少しずつ移動させて、膝下まで行ってください。

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 次に体育座りをして片方の膝の上にもう片方のふくらはぎを載せます(②)。ふくらはぎの中央より少し外側を膝に押し当てて足首を動かします。当てる場所は少しずつ変えアキレス腱まで行ってください。また膝の上をスライドするように前後に動かすのも効果があります。
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 フォームローラーをお持ちの方は、フォームローラーにふくらはぎを当てるように乗り、お尻を上げてフォームローラーをコロコロと転がして、ふくらはぎをマッサージします(③)。反対側の脚を上に乗せると重さが加わり、より強いマッサージ効果があります。
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 今回ご紹介した方法をお風呂上りに、例えばボディークリームを塗りながら、試してみてください。血行が良くなり翌日には脚の軽さを感じられると思います。脚のむくみはこのようなご自宅でのケア方法と共に、普段の生活の中での歩き方や立ち方、さらには骨盤の歪みなどを見直す必要があります。気になる方はファンクフィジオにご相談ください。

押本理映 (FuncPhysio日本支部代表)
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PT(日本の理学療法士)免許を2011年取得後、大学病院で臨床経験に励む。ダンスを中心とした芸術スポーツ分野のリハビリを学ぶために15年来米。NYUハークネス・ダンス・センター、高田洋平氏の下で徒手療法を学ぶ。専門分野はダンサーのスポーツ障害。10代でロシアにバレエ留学した経験を持つ。r.oshimoto@funcphysio.com