【18日付PIX11】公共交通関連の市民団体ライダーズアライアンスおよびトライステート・トランスポーテーション・キャンペーン・ファンドがこのほど発表した報告書によると、共和党の税制改革法案が施行された場合、資金の4分の1を連邦政府の補助金に頼るニューヨーク州都市交通局(MTA)は、大きな打撃を受けるという。
同報告書によると、同法案が施行された場合、MTAは①10年間にわたる1兆5000億ドル(約170兆円)の連邦予算縮小により、改修工事や近代化に充てる資金源の確保が困難になる②法人税削減に伴い、米国外のオフショア企業利益を米国内に還元でき一時的に税収が増えるが、これをインフラ投資拡大に充てる計画は消滅する③州および市税の控除額が大幅引き下げとなり、公共交通機関を支える財源を圧迫する④MTAが負債支払いの利息引き下げに利用していた債権の期前借り換えが中止になる⑤従業員に交通費を補助する企業への税制優遇措置が廃止される―などの影響を受けることになる。
税制改革法案の施行が進み新たな財源が見つからない場合は、MTAの危機的状況は改善されるどころか悪化する可能性が高く、両団体は通勤時の利用に追加料金を加算する「混雑課金制」を導入するべきだと提案している。