【11日付NBCニューヨーク】米司法省(DOJ)は、25年以上前に偽名を使って米国に入国していたことが発覚したニュージャージー州の男性から5日、市民権をはく奪したと発表した。
同州ミドルセックス郡カーテレットに住むインド出身のバルジンダー・シンさんは、1991年に米国に入国した際、身分証明書を所持しておらず、ダンビンダー・シンと名乗っていた。シンさんは、入国管理裁判所の聴聞会に出席しなかったため、92年1月7日に国外退去を命じられた。その4週間後、シンさんはバルジンダー・シンの名で亡命申請書を提出したが、その際、入国時に入国検査を受けなかったと主張していた。亡命申請を断念したシンさんは、96年に米国人女性と結婚。妻が代わりにビザの申請を行い、2006年に市民権を取得した。
米国土安全保障省(DHS)は10年、市民権取得手続きの際に、身元調査を回避した者の市民権をはく奪する新たな取り組み「ヤヌス作戦」を開始したが、実際に同作戦により市民権をはく奪されるのは、シンさんの事例が初。シンさんは今後、合法永住者として国外退去処分を受ける可能性がある。
米市民権移民局(USCIS)は、さらに1600件の事例についての起訴を進める計画だという。