【15日付amニューヨーク】家賃値上げのため閉店を余儀なくされていた名物レストランが近隣住民の署名運動が発端となり存続が決定、15日、常連客や従業員が集まって喜びを分かち合った。
マンハッタン区169丁目とブロードウェーの角に1985年にオープンしたクーガンズは、殺人や麻薬の売買がはびこっていた当時のワシントンハイツで、住民たちに長年愛され地域活性化の中心となってきた。しかし今年になってから、大家であるニューヨークプレスビタリアン病院が月家賃を4万ドル(約444万円)に引き上げると通告。閉店の危機に瀕していることが報道されると、近隣住民がインターネットを通じて、家賃引き上げ中止を求める嘆願書の署名運動を開始し2日間で1万5000人の署名が集まった。また同地域選出のアドリアノ・エスピラ州下院議員(民主)らも参加した結果、病院側が13日、譲歩を決定した。
同レストランの共同経営者、デーブ・ハントさん(68)は、「われわれがワシントンハイツにとってどれだけ重要かを大家が再認識してくれた。コミュニティーの努力が実を結んだ」と、また常連客の1人は、「住民の声が反映されてうれしい」と話した。