家庭内暴力は「公衆衛生危機」 パニックボタン、ペットの世話で対策を

 【23日付ニューヨークポスト】ニューヨーク州議会下院の共和党議員らが23日、家庭内暴力(DV)を「州全体におよぶ公衆衛生上の危機」とし、独自の改革を推し進めることを約束する報告書を発表した。
 同報告書に記載された救済計画では、加害者に対する刑罰を厳格化し、その正当性を主張する書類の提出のみで裁判所による接近禁止命令の2年間の延長を可能とする。また、危険に直面した際にボタンを押して助けを呼ぶ、高齢者が使用するパニックボタンをDV被害者に携帯させる案も含まれている。
 DV被害者を収容するシェルターの多くでは、盲導犬などの介助動物以外の動物を禁止しているが、DV被害者の中にはペットを置き去りにできないため加害者から離れられない者もいるため、この対策も必要とされる。ロングアイランド選出のディーン・マリー下院議員(共和)は、「非営利機関、家族、友人などが被害者のために一時的にペットの世話をし、シェルター入居への支援を行う制度も提案している」と述べた。
 ただし、下院は民主党が多数派を占めるため、議会で投票に付される法案の選択は厳しいとの見方もある。
 州では2016年、4万5000件のDV被害が報告されている。

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