地下鉄駅改修計画を延期 インフラ基盤改善が優先

 【24日付ニューヨークタイムズ】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は24日、かねてから不仲が伝えられているアンドリュー・クオモ州知事が昨年夏に発表した、市の地下鉄駅改修計画「サブウェイ・アクション・プラン」の延期決定を発表した。
 知事は昨年、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が運営する市内33の地下鉄駅に新たな照明や電車の到着を知らせるカウントダウン時計、USBポートなどを設置する改修工事計画を発表。8億3600万ドル(約910億円)の費用のうち、半分を市に負担するよう求めていた。しかし、市長や一部の市議会議員からは、地下鉄システムのインフラ基盤が破たんしているにもかかわらず、巨額の費用を外観の改修や備品の設置に充当することについて疑問が出ており、同計画についての投票が行われる予定だった同日の委員会で、市長が指名した複数のMTA理事が、さらなる調査が必要と主張し投票を延期させた。
 メディアも参加した委員会では、両サイドから辛辣な言葉が飛び交い、ディーン・フリーハン副市長は、「既にMTAの運営費用160億ドル(1兆7400億円)の70%も捻出している」と主張した。交通機関の利用者擁護団体ストラップ・ハンガー・キャンペーンの広報担当主任ジーン・ロシアノフさんは、「知事と市長のけんかを見ているぐらいなら休みを取った方がまし」と皮肉った。

Tony Webster

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