【12日付amニューヨーク】サンシャインシネマやリンカーンプラザなど独立系映画や外国映画を上映する映画館が次々と姿を消す中、グリニッチビレッジで45年続くクアドシネマが存在感を示している。
1972年、同地にオープン。ミッドタウンに商業ビルを所有するコーエンブラザーズ不動産社長のチャールズ・コーエンさんが2014年に買収し、大掛かりな改修を施し17年4月に再オープンした。コーエンさんは映画配給会社コーエン・メディア・グループも所有しており、同社配給作品のうち2本が、3月4日に開催される第90回アカデミー賞にノミネートされた。外国語映画賞にノミネートされたレバノン映画「ジ・インサルト」、長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた「フェイセズプレイシーズ」は同映画館で上映中だ。他に英国の名優、アラン・ベイツ主演作品も特集している。
「映画狂」のコーエンさんは「独立系映画館がどんどんなくなっていく」と嘆く。しかし同映画館が再開1周年を迎えるに当たり、「地元の人に受け入れられてうれしい。映画は携帯電話で見るより地元ファンと一緒に見た方が楽しい。その楽しさを伝えていきたい」と話した。