犯罪組織化したレッカー業者起訴 市場独占や競合他社への攻撃

 【21日付amニューヨーク】マンハッタン区の連邦地区検事局は21日、1年以上にわたり詐欺や盗聴などの不正行為を行っていたとして、ニューヨーク市内のレッカー業者を起訴したと発表した。
 起訴状によると、17人の業者および10社は、2015年6月から17年12月までの間に市のレッカー業の独占や事故現場の追跡、保険金請求額の水増し、競合他社への攻撃などを行ったとして汚職や詐欺罪で起訴された。首謀者とされるダニエル・スタイニンジャー被告(44)は同日、無罪を主張、100万ドル(約1億700万円)の保釈金が設定されたが同日の時点で勾留されている。
 事故現場では通常、最初に到着したレッカー業者が作業を担当することになるが、起訴状によると、同被告の指示により、2つの業者は事故現場にいち早く駆け付けるために、警察の無線を傍受していた。
 被告らは、最も利益の上がる仕事を探し、1度に5万ドル(約534万円)の報酬を受けることもあった。競合する業者が同時に現場に現れた際には、警告または報復としてクレーンでレッカー車を攻撃するなどの威嚇もしていた。また、修理代を多く請求するために、自分たちのレッカー車を故意に破損させたり、修理をしていない箇所にも修理代を請求したりしていたという。
 サイラス・バンス・ジュニア地区検事長は、「やっていることは犯罪組織と同然」と厳しく批判した。