【2月27日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】容疑者のマグショット(証明写真)を撮影する際にヒジャブを外させ宗教の自由を侵したとして、イスラム教徒がNYPDを訴えていた事件で、ニューヨーク市が18万ドル(約1900万円)の賠償金を支払うことが2月27日までに分かった。
NYPDは2012年、ブルックリン区の高校に通っていた女子高生を同級生とのけんかで逮捕した。最初に連行した第62分署では個室で女性警官が撮影したが、次に連行した同区中央署では女性警官が不在でカメラの位置を動かすことができなかったため、女子高生に他の男性警官が見ている中でヒジャブを脱ぐよう指示し、撮影した。女子高生はこの行動を「屈辱的なもので信仰の自由を侵害する」と訴えた。
これを受けNYPDは15年、マグショットに関する新方針を導入。容疑者がヒジャブを着用している場合は同性の警官と個室での撮影が可能と伝えることを義務付けた。しかし、これ以降も別の女性2人がヒジャブを無理やり脱がされていたことが判明した。
3人にはそれぞれ6万ドルの損害賠償金が支払われることが決まり、NYPDは改めて宗教的服飾の取り扱い方法を警官らに指導するとしている。