【13日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事は12日、ニューヨーク市住宅局(NYCHA)が運営するブロンクス区の公共住宅ジャクソン・ハウシズ・アパートメントを訪れた。NYCHAの数千戸のアパートでは鉛含有塗料が使用されており、状況改善が叫ばれている。
同知事は、「州内にこのような状況下で暮らす人々がいるとは実に衝撃的だ」と憤りをあらわにした。今後、非常事態宣言を出す意向も表明。NYCHAの煩雑な手続きを回避し、17万8000戸の老朽化した住居の改修を迅速にするための監察官を指名するという。
同住宅の住民で、車椅子で生活するジェフリー・ブライサーさん(42)のアパートで同知事は、台所の引き出しの中をゴキブリがはい回っているのを目の当たりにした。ブライサーさんによると、害虫駆除業者が何度も訪れたが効果はなく、NYCHAが派遣した職員は、作業を行う免許を持っていなかったという。浴室の壁や天井の塗料も剝がれ落ちているため、ブライサーさんは14カ月の孫の健康を心配している。
NYCHAは最近になって適切な検査と有害な鉛塗料の除去を数年間にわたり怠っていたことを認めている。