【15日付NY1】ニューヨーク州仮釈放委員会がこのほど、47年前にニューヨーク市警察(NYPD)の警官2人を殺害した男の仮釈放を決めたことを受け、批判の声が上がっている。
ハーマン・ベル受刑者(70)は20代だった1971年、マンハッタン区ワシントンハイツの低所得者向け公共住宅に警官をおびき出すために、2人の仲間と911に虚偽の通報をした。3人は、駆け付けたジョセフ・ピアジェンティニ巡査とウェイバリー・ジョーンズ巡査を射殺し、ベル受刑者は、25年から終身刑の判決を言い渡された。
州仮釈放委員会はベル受刑者の仮釈放を決定したが、同被告が釈放される正確な日時については明らかにしていない。警察労働組合のパトリック・リンチ委員長は、決定について「嫌悪を感じ、気分が害され、腹立たしい」と述べた。
ピアジェンティニ巡査の妻ダイアンさんは、「命乞いをした夫ジョセフを銃で撃ち続けた、慈悲に欠けたこの酷い人間が刑務所を出て自由になるとは、腹立たしく吐き気がする」と怒りをあらわにした。ジェームス・オニールNYPD本部長は、仮釈放委員会の決定を「弁護の余地がない」と述べた。
事件は公民権運動が激しかった当時に発生。同受刑者は黒人過激派組織のメンバーで、裁判で犯行理由を「合衆国に対する抵抗」と述べていた。