肩甲骨を動かして巻き肩改善
重たいコートを着ると、自然と肩が前に出ていませんか。以前は「前肩」や「猫背姿勢」と言われましたが、最近では「巻き肩姿勢」と言われます。かばんのストラップを片方の肩に掛けたとき、ストラップが肩から落ちるのを防ごうと無意識に肩を丸めてしまうことも原因です。
横から立ち姿を見たときに、頭が前に出て、肩が内側に巻いている状態です。今回は巻き肩姿勢の改善に効果的なストレッチとトレーニングを紹介します。二の腕や背中のお肉が気になる女性にも最適です。
ストレッチで肩甲骨を元の位置に
肩の動きは肩甲骨と密接な関係があります。巻き型姿勢とは、肩甲骨が上に上がり、外に開いた状態を言います。肩甲骨を元の場所に戻すために、まずは前側の筋肉を伸ばす簡単なストレッチを行います。ドアや壁の出っ張りの横に立ち、肘を直角に曲げた腕を肩の高さまで上げ、肘から下を壁に付けます(写真1)。肩が前に出ないように注意しながら、からだを前に移動させ、胸が伸びるのを感じてください。腕の高さを変えることで、胸の伸びる場所が変化します。気持ちよく伸びていると感じるところで、30秒ほど止まります。反動をつけないようにしてください。
肩をすくめるトレーニングで位置をキープ
次は肩甲骨を正しい位置に維持するためのトレーニング。壁に背中全体をつけて立ちます。かかとは壁に付けず、1歩前に出て膝を少し曲げましょう。両肩を同時にすくめて、手のひらを外に返します。手のひらを外側に返すことで、肩甲骨が壁と接触することを感じてください(写真2)。手を無理に回してしまうと、背中が壁から離れてしまうので、背中は何も変化しないで肩が回せる範囲にとどめてください。
手を外に回したままゆっくりと肩を降ろし、そこで30秒ほどキープします(写真3)。肩甲骨の間が動いている感覚があれば、正しい動きができています。女性は肩を降ろすとき、下着のアンダーバストラインに肩甲骨を納めるよう意識すると、イメージしやすいかもしれません。
肩の重さや腕の上がりにくさを感じる方、姿勢が悪いと悩んでいる方はファンクフィジオにいつでもご相談ください。
押本理映 (FuncPhysio日本支部代表)
PT(日本の理学療法士)免許を2011年取得後、大学病院で臨床経験に励む。ダンスを中心とした芸術スポーツ分野のリハビリを学ぶために15年来米。NYUハークネス・ダンス・センター、高田洋平氏の下で徒手療法を学ぶ。専門分野はダンサーのスポーツ障害。10代でロシアにバレエ留学した経験を持つ。r.oshimoto@funcphysio.com