裁判所が名誉毀損訴えを受理 トランプのセクハラ告発者中傷

 【20日付ニューヨークタイムズ】マンハッタン区のニューヨーク州高位裁判所のジェニファー・シェクター判事は20日、ドナルド・トランプからセクハラを受けたとする女性の名誉毀損裁判を進めることを決定した。トランプは司会を務めたテレビ番組「アプレンティス」に出演していたサマー・ザーポスさんのセクハラ告発を中傷したとされる。
 トランプは2016年の大統領選挙運動中、トランプからセクハラを受けたと告白したザーポスさんや別の女性らに対し、「全くのうそ」「ばかげた話をねつ造し汚いやり方で選挙をじゃましようとしている」「売名行為か金銭的利益のため」と発言し、物議を醸した。トランプの弁護士は、最高法規条項を盾に州裁判所は大統領を訴追できないと主張。また選挙運動中のトランプの女性に対する発言は、米憲法修正第1条で保障された政治演説だとしている。
 一方、同判事は、クリントン元大統領を相手取ったポーラ・ジョーンズさんのセクハラ裁判を許可した連邦最高裁判所の決定を引用し、トランプがザーポスさんの申し立てを「作り話」とした上で放った言葉は、名誉毀損に当たるとの見解を示している。
 選挙運動中、10人以上の女性がトランプからセクハラを受けたと訴えていた。