【23日付メトロニューヨーク】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は23日、昨年1年間の交通事故による死者が過去4年で最少だったと発表した。
市長は2014年に交通事故死の撲滅運動「ビジョンゼロ」を開始。4年間のまとめによると、市内では交通事故死者数は全体で28%減少。そのうち歩行者の死者数は45%減少した。一方、全米の交通事故死者数は同期比で15%増加していた。
ビジョンゼロ開始以降、市運輸局は信号や標識の変更など、道路改善を114カ所で実施。昨年には自転車専用レーンを77カ所増設した。また、市警察(NYPD)はビジョンゼロ関連の交通違反者に対し、昨年だけで召喚状を68万通発行。同市長は声明文で「ビジョンゼロは効果を発揮している。速度制限を厳しくし、交通規則の順守を徹底させ、道路をより安全に設計した。努力が実を結んだ」と述べた。その上で「1人の交通事故死も許せない。ニューヨーカーを保護するため、闘いをやめない」と続けた。
ビジョンゼロ5年目の今年は、高齢者が多く住む地域の交通安全向上に注力する計画だ。さらに25歳以下の若年運転手を対象とした交通安全教育プログラムの作成や、区ごとの歩行者安全対策をまとめた地図の改定を行うとしている。