Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.83 首の痛みについての話

首の痛みについての話

 朝目覚めたとき、安眠できた気持ち良さではなく、首の痛みに襲われたら、本当にうんざりしてしまいます。首を回すと痛いので、最初はからだ全体をよじるなどして痛みを回避するように動いていても、うっかり痛むことを忘れて首を回してしまったときには痛みが走ります。

なぜ私たちはこのような首の痛みに悩まされるのでしょう?
 仮に5キログラムの重さの荷物を1日中持ち歩くとしましょう。5キログラムといえば、大人なら最初はそれほど重いと感じない程度ですが、ずっと持っていれば1日の終わりにはかなり重く感じるはずです。平均重量が約5キログラムである頭を支えている首にも同じことが当てはまります。7個の首の骨とその周りの筋肉は、立ったり、座ったり、上や下を向いたり、振り向いたりするたびに常にバランスを取って頭を支えているのですから、圧迫による痛みが発生するのは当然のことと言えます。それでは、痛みをなくすためには、どうすればよいのでしょうか?
 まず日常の生活の中で、首の痛みの原因になり得ることをしていないかチェックしてみましょう。例えば悪い体勢で寝ていたり、目線よりも上にあるものを見続けていたり、コンピュータのモニターや机を常に見下ろす状態で仕事をし続けたり、ハイヒールを頻繁に履いたり、片手だけに重い物を持ったり、電話をするときに肩で受話器を支えたり、運転するときに悪い姿勢でシートに座ったりしているなど、心当たりがある場合は気を付けましょう。また、起床時や仕事の後に首が痛む場合は悪い姿勢、ストレス、過度の疲労が主な原因として考えられます。
 これらの要因は、複数重なることで影響を及ぼすと考えた方がよいでしょう。次に挙げることに気を付けるだけで、痛みを予防することができます。

・バランスの取れた良い姿勢を心掛ける
・目線を水平に保ち、コンピュータのモニターを長時間にわたり凝視しない
・リラックスした生活を送れるように生活を見直す
・運転中の姿勢を意識し、できるだけ穏やかに運転する
・ストレスを感じたらすぐに発散できる方法を見つける
・毎日の適度な運動を心掛ける

 ただし、重症のときはすぐにカイロプラクティック医などの専門医の治療が必要です。次の事項が当てはまる場合は受診をお勧めします。痛みの症状をメモしておくと的確な治療に役立ちます。

・痛みが24時以上持続または再発する
・持続性の頭痛がある
・首と同時に顔、耳、肩、腕または手、胸の痛みがある
・めまいがする

 朝は痛かったはずの首が時間が経つにつれ良くなる場合は関節炎の可能性が考えられます。同様に首の痛みが咳やくしゃみで悪化したり、腕にしびれを感じる場合は、椎間板の問題が懸念されます。カイロプラクティック医はそれらに対する的確な治療法を熟知していますので、該当すると思われる場合はぜひ一度お問い合わせ下さい。

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Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

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