NY市とイスラム教徒グループが和解 NYPDによるスパイ活動疑惑で

【5日付NY1】ニューヨーク市警察(NYPD)によるイスラム教徒コミュニティーを対象としたスパイ活動は憲法に違反するとして、イスラム教徒のグループが市を訴えていた裁判で、市は5日、原告と和解しことを発表した。
NYPDはイスラム教寺院(モスク)に出入りするイスラム教徒や、イスラム教徒の学生グループをテロ対策の情報提供者として雇っていた。原告は2012年、こうした活動が特定の宗教信者を標的としたスパイ行為に当たり、民族性と宗教に基づく憲法上の権利を侵害するとして提訴。市は、原告団への損害賠償金7万5000ドル(約800万円)および訴訟費用約100万ドル(約1億円)を支払うことに和解した。これにより、同権利に関する既存のガイドラインを再び強調することになる。
市は和解に合意したものの、NYPDは不正行為を行ったとは認めておらず、ニューヨーク州およびニュージャージー州の裁判所も、NYPDによる活動が違法に行われたとは判断しなかった。
原告代表のファーハジ・ハッサンさんは、和解を受けて「米国で最も権力を持つ警察と、その警察を差別的な行動に導いた嫌疑および無知に立ち向かったことを、誇りに思う」と述べた。