公共住宅の家賃返金求め集団訴訟 記録的な寒さの中、暖房とお湯停止

 【12日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】貧困者のための法律扶助組織リーガル・エイド・ソサエティは13日、暖房や給湯設備が停止した状態でこの冬を過ごしたニューヨーク市内の公共住宅の住民を代表し、市住宅局(NYCHA)に家賃の返金を求める集団訴訟を起こした。市ではこの冬、記録的な寒波が続いていた。
 12日時点で原告に名を連ねているのは、ブルックリン区にあるフィオレンティノプラザの1世帯とブロンクス区にあるパターソンハウシズの1世帯。公共住宅住民全体の80%に当たる約32万3098人が、同訴訟の原告になり得るという。同団体によると、損害賠償金の総額は約2000万ドル(約21億5000万円)に達する見込み。
 NYCHAは、2017年10月から18年1月の間に暖房および給湯が停止した日は月平均で約2日間としているが、住民の多くはそれよりも長かったと主張。その多くは、服や毛布を重ねたり簡易ストーブを使ったりして寒さをしのぎ、コンロで沸かしたお湯を使ったという。「1週間以上も寒さに耐えなければならなかった」と証言する住民もいた。
 NYCHAは、「公共住宅の97%で暖房が安定して供給されていた」と説明していたが、最終的にはそれが事実ではなかったことを認めている。

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