【12日付amニューヨーク】警官への不信感を拭い去ろうと、ニューヨーク市警察(NYPD)は12日、地元の警官が広い自由裁量を持って警備に当たる制度「ネイバーフッドポリシング」をブルックリン区とブロンクス区の地下鉄構内で試行すると発表した。来年初めまでに市内全域で実施する意向だ。
ブルックリン区のボローホール駅などを含む地下鉄区域とブロンクス区の3番街149丁目駅などを含む地下鉄区域で試験的に実施する。対象の駅には担当警官の写真やメールアドレス入りのポスターを張り、市民とのコミュニケーションの向上を図る。テランス・モナハン担当課長は「顔なじみの警官には、何かあったときに気軽に声をかけやすい」と話している。
一方で効果を疑問視する声もある。NYPDの取り締まりにおいて、貧困層の黒人を標的にしているとの不信感は根強い。
市民団体CSSによると2016年、ブルックリン区の地下鉄駅で、無賃乗車で取り締まりを受けた人の66%は黒人で、87%は男性だった。CSSのデイビッド・ジョーンズさんは「駅の警備の仕事のほとんどが無賃乗車の取り締まりである現状、顔なじみの警官が警備に当たっても他の犯罪の抑止につながるとは思えない」と話した。