スタテン島の鹿、8%減少 雄鹿の不妊手術が奏効

【12日付メトロニューヨーク】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は12日、スタテン島の鹿の頭数が昨年より8%減少したと発表した。雄鹿に対する不妊手術が効果を上げているという。
同島では近年鹿が増殖し、車との衝突事故や鹿に寄生するダニによる病原菌の拡散など、住民の安全と健康を害しているとして問題になっていた。森林の生態系に悪影響を及ぼしているとの指摘もあり、市は2016年5月、対策として「鹿の影響管理計画」に乗り出した。これには雄鹿に対する不妊手術も含まれており、今年3月17日までに同島の雄鹿の94%に当たる1154頭に施術していた。
その結果、市公園局などの調べから、昨年の2053頭から1884頭に減ったことが判明。子鹿の誕生率も半数以下となった。同市長は声明文で「賢く人道的な方法で期待以上の効果を上げている。適切な手段であることが証明された」と述べた。マイケル・シルバー市公園局長も「天敵がおらず、餌となる草木も豊富なことから、頭数減少は人間の管理が貢献したものと断定できる。わずか2年で既に成功を収めている」と評価。子鹿の誕生率や成体の死亡率の分析から、市では鹿の頭数がさらに減ると予想している。