【20日付ニューヨークタイムズ】かつて「キリングフィールド」と呼ばれていたブルックリン区イーストニューヨーク。今年に入ってから1件の殺人事件も起きず、治安改善の兆しが見えている。
地域を管轄する第75分署管区では1990年代、年間100件以上の殺人事件があり、昨年も11件とニューヨーク市内で2番目に治安が悪い地域として悪名高かった。昨年12月12日から今月15日まで続く殺人事件のなかった日数は129日間で、記録を取り始めた1993年以来最長となり、長年同地域に住んでいる住民からも驚きの声が上がっている。
経済発展に伴い治安が改善したマンハッタン区ワシントンハイツやハーレムと異なり、黒人やヒスパニックが多く住むイーストニューヨークはいまだに貧困が根強く、開発も遅れている。しかし、同分署は殺人事件がなくなった理由を、ギャングの取り締まり強化が功を奏したものと分析。2016年以降、同分署は535丁の拳銃を押収し、ギャング関係者と思われる843人を取り締まってきた。その結果、今年に入ってから殺人だけでなく発砲事件の報告も5件と昨年の同時期に比べ約半数に、また強盗事件も昨年の169件から144件に減っている。
4. 23 Update
イーストニューヨークで22日発砲事件が発生、37歳の男性が死亡し、約4カ月続いた「殺人事件なし」の記録が途絶えた。発砲したのは男性の弟(32)。殺人罪で起訴され、動機は不明。