【9日付ニューヨークタイムズ】環境問題に積極的に取り組んでいたニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官が7日、女性暴行疑惑報道を受け辞任した(本紙8日号で既報、関連記事7面に)ことで、環境保全計画の先行きが危ぶまれている。
前司法長官は、トランプ政権が進める環境保護規制縮小に対する州レベルでの最も活発な反対者の1人で、石油最大手エクソンモービル社の気候変動に関する政策や報告書の虚偽疑惑について捜査を開始した全米初の州司法長官でもあった。前司法長官による環境保全計画のほとんどは他州やニューヨーク市で継続される見込みだが、後任の州司法長官が政策を転換する可能性もある。
前司法長官はトランプ大統領就任日前日、他5州の司法長官と共にオバマ政権時に定められた州境を越える大気汚染に関する規定保護の申し立てを提出。今年2月には、オバマ政権下で施行された水質汚染規制クリーン・ウォーター・ルールの遅延について、米環境保護庁および陸軍工兵部隊を提訴した。また他17州と共に、二酸化炭素排出量削減に関する計画見直しを進めるトランプ政権に反対意見を提出するなどの活動を行ってきた。
ニューヨーク大学法科大学院国家エネルギー環境影響センターによると、同大統領就任以来、州は連邦政府を相手取り全米最多となる55件の訴訟を起こしている。