不法滞在の学生にも奨学金を NJで州法成立、「必要ない」との声も

 【9日付AP通信】ニュージャージーのフィル・マーフィー州知事(民主)は9日、法的に滞在資格のない不法滞在の学生に、同州の大学進学奨学金を受ける権利を与える州法案に署名、即日施行となった。
 同州内の高校に3年以上通学し、卒業するか高卒認定試験に合格した者は、不法滞在者であっても同州運営の高等教育奨学金の申し込みができる。今秋の新学期から申し込みを受け付け、447万ドル(約4億8830万円)を予算として計上した。
 同州では2013年にも同様の法案が提出されたが、クリス・クリスティー前州知事(共和)が拒否権を発動して成立せず、不法滞在の759人が奨学金を受けられなかったとされる。同法に反対するジェイ・ウェバー州下院議員(共和)は「移民に対して無限の公益を提供する必要はない」と批判する。同様の法律は他8つの州で成立している。
 移民救済制度「DACA」で法的滞在資格を得てラトガーズ大学に通うエスダー・チョングさんは「州はたくさんの学生から医者や教師になる夢を奪ってきた。その悪弊が終わる」と評価した。