【5日付ニューヨークポスト】マンハッタン区の元夫婦が、体外受精後に凍結させた受精卵の所有権を巡り争っていた裁判で、同区のニューヨーク州上訴裁判所のデイビッド・フリードマン判事は5日、受精卵の破棄を条件に元夫に所有権を与える判決を下した。12年に不妊治療クリニックで2人が交わした「夫婦の一方はいつでも受精卵の使用合意を破棄できる」との契約が論拠。
イッシェイ・フィンケルシュタインさん(53)と元夫のヨーラムさん(63)は11年に結婚。不妊治療で凍結受精卵まで作ったが、ほどなくして離婚した。その後受精卵の体内移植、妊娠、出産を求めていたイッシェイさんと、受精卵の破棄を求めていたヨーラムさんの間で決着が着かずにいた。
17年4月の一審では、同区高位裁判所のデボラ・カプラン判事は「生みの親になる最後のチャンス」としてイッシェイさんの主張を認め、受精卵の単独所有権を与えたが、ヨーラムさんは上訴していた。
控訴審判決を受け、ヨーラムさんの弁護士は「子どもとはきちんと関係を築くべきだというのがヨーラムさんの考え。現在はイッシェイさんとの子どもと関係を築く意志はない」と判決を歓迎した。