ピザ配達後、強制送還の危機に  エクアドル移民の男性

 エクアドルからの移民の男性が、ブルックリン区の米国陸軍基地にピザの配達に訪れたことをきっかけに強制送還の危機にさらされている。各メディアが報じた。
 パブロ・ビジャビセンシオさんは1日、フォートハミルトン基地からの注文を受け、配達に向かった。過去に何度も同基地に配達したことがあるビジャビセンシオさんは入り口で軍警察に身分証明書の提示を求められ、いつも通りニューヨーク市発行の身分証明書IDNYCを提示したが、この日は拒否されたという。敷地内への立ち入りを交渉すると、軍警察から当日のみ有効な立ち入り許可証を取得するよう指示され、取得に際して経歴調査を許可する書類に署名。そこから、不法滞在が発覚したという。
 軍警察はビジャビセンシオさんの身柄を拘束し、米移民関税執行局(ICE)に引き渡した。
 ビジャビセンシオさんは約10年前に米国に入国。2010年に米国籍の女性と結婚し市民権取得を試みたが、不法滞在のため同年7月までに任意で国を出るよう米移民局から勧告されていた。その後も国にとどまり、2人の子どもをもうけた。
 5日、カルロス・メンチャカ市議会議員(民主)がマンハッタン区の最高裁判所前で移民支援者らと抗議デモを実施。軽犯罪で出廷した不法移民をICEが裁判所内で逮捕することを禁止するよう訴えた。