NY市の自殺者、毎年2%増加 予防と支援知って

 【11日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市に住んでいたファッションデザイナー、ケイト・スペードさん(享年55)と市内のレストランでキャリアを積んだシェフでテレビ番組レポーターのアンソニー・ボーデインさん(享年61)が先週相次いで自殺し、世間に衝撃を与えた。市の最新の記録によると、市を含む全米で近年、自殺者が増加しているという。
 市内の自殺者数は2008年以降年約2%ずつ増加。14年における市内の自殺者は565人と、殺人の犠牲者328人を上回っていた。
 市精神衛生協会のアニサ・アイヤー主任は、「自殺は予防可能」と話す。同主任によると、自殺の兆候には、①自殺願望を語る②追い詰められていると感じている③生きている理由がない、心身に苦痛を感じているなどと口にする④酒や麻薬の摂取量が増加していることなどが挙げられるという。
 防止には話を聞くことが重要だといい、①(自殺の)手段を絶って安全を確保する②そばにいる③支援機関を紹介する④心配していると伝えることなども有効で、否定することは避けるべきだという。
 市は24時間対応のホットライン(888-NYC-WELL)や1人でいたくないときに数日間滞在できるクライシス・リスピット・センターを運営し、自殺防止に努めている。

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