【9日付ニューヨークポスト】ニューヨーク市タクシーリムジン委員会(TLC)が発行する営業許可証(メダリオン)の破産オークションで、14日、史上最多の139通が競売に掛けられることが分かった。主催者によると最低20通は落札される見込み。高価格でメダリオンを購入した運転手の多くが現在、借金苦に陥っている。
現在発行されているメダリオンは1万3587通。変動価格制をとるため金融商品としても取り引きされ、2013年の価格は130万ドル(約1億4350万円)に上っていた。タクシー運転手は通常、ローンを組んでメダリオンを購入。しかし11年、配車サービス大手ウーバーの市場参入を機にその価格は下落し始め、現在は16万ドルから25万ドル(約1770万円から2760万円)で取り引きされている。
市では15年、ウーバーの車の数がタクシーを上回った。タクシー運賃も下がり続け、運転手の年間平均所得は3万4000ドル(約375万円)にまで減少。運転手はメダリオンを破産競売にかけ、債務免除を求めている。昨年クイーンズ区でも同様の競売があり、46通が1通平均18万6000ドル(約2050万円)で落札された。
市内では今年に入りタクシー運転手の自殺が5件続いている。5月に自殺した男性はメダリオンに56万ドル(約6180万円)の借金を抱えていた。