【12日付ニューヨークタイムズ】ニューヨークタイムズは12日、国家機密情報の漏えいに関与したとして、米司法省に電子メール履歴や通話記録を押収された同紙記者のアリ・ワトキンスさん(26)の内部調査を行っていると発表した。
ワトキンスさんは昨年12月同紙に入社、ワシントン支局に配属された。米連邦捜査局(FBI)に虚偽の証言をしたとして今月7日に起訴された上院情報委員会の元上級補佐官、ジェームズ・ウルフ被告(57)と昨年末まで交際関係にあったことを同紙に明かしている。
検察当局は同被告が機密情報を複数の記者に漏らした可能性があるとみており、同紙は2人の関係や前の職場での発言内容などを精査している。同被告は疑いを否認しており、ワトキンスさんも同紙の調べに対し、機密情報漏えいとは無関係だと答えている。
ワトキンスさんは政治ニュースサイト、ポリティコの記者だった昨年6月、政府関係者を名乗る人物から同被告との交際関係を指摘され、同被告の機密情報漏えい容疑への捜査協力依頼を受けていた。同年12月、FBI捜査官から同被告との接触について任意聴取を要請された際は断っていた。
米司法省による記者の個人情報押収に関しては、報道関係者などから「報道の自由の侵害だ」として批判の声も挙がっている。